ラストダイブ? |
15 years ago |
パラオで潜ってから1ヶ月あまり。
調査や作業で潜る計画があったものの、天候に恵まれず中止続き。
(今シーズンのダイビングはパラオが最後だったか。)
今朝までそう思っていたところに作業の問い合わせがありました。
現場は酒田港。
一昨日までの大シケがおさまったものの、港内は味噌汁のような茶色い海。
でも、今年最後にもう一度潜れる自分にとっては逆転ホームラン。
雪が降る港で器材を準備して気合充分に飛び込んできました。
雪深い港に車を横付けして器材を下ろしていると依頼者が近づいてきた。
あいさつもそこそこに、すぐさましゃがみこんで積もった雪に指をなぞりはじめ、
雪の上に港と船の位置を描き、無くしてしまったアンカーチェーンの位置を示す。
「サブアンカーを引きずってチェーンを捜し当てた。多分そこにあると思うから、
ロープ沿いに潜って確認してほしい。もしもそれがアンカー用のチェーンなら、
先端を探してロープを結んできてもらいたい。」
港に係船された船から海へ飛び込み、ロープを持った作業員が乗り込む小船まで泳いで移動。
引っ張りすぎてサブアンカーがはずれないように、指でそっとたぐりながら水底へ。
視界は目の前のロープが見える程度でほとんど見えない。
水底にたどり着いた。
水深は4.7m。
手探りでサブアンカーをたどるもチェーンらしきものが確認できない。
サブアンカーの先端に粘土のようにまとわりついたヘドロに手を突っ込んで
チェーンを探ってみると、ヘドロが舞い上がって真っ黒に濁り始めた。
例えるなら墨汁の中で手探りをしている感じ。
(うーん、落ち着けオレ。落ち着いてゆっくり探るのだ!)
墨汁につつまれた暗闇で5分程度ヘドロをまさぐったが見つからず浮上。
「はずれてしまったのか何も見つからない。」
と告げると、ふたたび小船を動かしてロープにくくりつけたサブアンカーを
引きずってチェーンを探し始めたので、自分は水面で待機することに。
ようやく捜し当てたロープをたどると今度こそサブアンカーの先端にチェーンの
感触を見つけました。
(おっ?これか?これだな!?)
船上からもらったロープを持って、ヘドロに埋まったチェーンを手探りで掘り起し
ながら先端を探して泳ぎ始めました。
ようやく先端部分を見つけてロープを結びはじめるも、ヘドロが舞い上がって
周りは墨汁の海で真っ暗。手元さえも見えず視界はゼロ。1cmも見えない。
モヤイ結びをこころみるも、通すべきロープの先端と結び目の穴が見えず
手探りで結びましたが、心配だからさらに複雑に結んで作業完了。
ロープをたどって船に戻り。OKの合図を出してロープを引き揚げてもらいました。
チェーンは無事に回収。
写真は水面から見た今日の酒田港。
水温は水底が9℃、水面付近は5℃、気温は2℃。
海のほうがあたたかい。
水面待機時間を含めて40分海に浸かってきました。
あたりまえでなければいけないのですが「今年も無事故だった。」
と言えるときがくると本当にホッとします。
(おそらく今日がラストダイブだろう)
そう考えながら港を去って充実感に満たされたのでした。
海よ、今シーズンもありがとう!